理事長あいさつ

2011年3月11日に発生した東日本大震災は学校の卒業時期と重なり、多くの卒業アルバムが被害を受けました。
救援活動で、瓦礫のなかから写真やアルバムを見つけ出し、大切に扱う姿が大きく報道されました。その光景は今でも私たちの心に深く焼き付いています。
NPOは現在、東日本大震災被災が起きた3月に卒業式を迎えた児童生徒達の卒業アルバムの再製支援を行なっております。全日本学校アルバム印刷組合様、(協)日本写真館協会様のご努力とご支援のもと、約1500冊の再製を行いました。
今後数年間は主に東日本大震災で被災した卒業アルバムの再製を、主たる事業といたしますが、以降は一般市民を対象に火災、水害、盗難などで被災した卒業アルバムの再生支援を行います。
また併せて適正な手順を確立、運用し、法令等を遵守することの重要性を広く社会に啓蒙することも行います。
今後も写真や思い出の大切さを卒業アルバムを通して、子供たちに思い出と希望を届けると共に、社会に貢献する所存でございます。

 NPO 法人よみがえれ卒業アルバム
理事長 清水 伸

設立趣旨

日本は、昔から地震、台風、火山活動等、数多くの自然災害にさらされています。

平成23年3月に起きた東日本大震災は、卒業時期と重なり、数多くの卒業アルバムが生徒の手元に届く前、届いた直後に流失してしまいました。被災された方やボランティアの方々が瓦礫の中から写真を見つけ出し、丁寧に泥を拭う姿や、アルバムを「宝物」として扱っている姿など、「思い出」の大切さは、新聞やテレビで何度も報道されました。そして、その光景や被災者のコメントは今でも私たちの記憶のなかに深く焼きつけられています。

 卒業アルバムは限定出版で、しかも在庫を持ちません。したがって、一度なくしてしまうと二度と手に入りません。現在の技術を用いれば、完全品を複製することは可能ですが、費用を考えると、再び同じものを作ることは事実上不可能です。また、個人情報保護の観点から見ても、委託元の承諾を得ないまま、勝手に複製を作ることはできません。

しかし、もし震災や人災(火災、盗難など)で卒業アルバムをなくしてしまった一般市民が、再び思い出を取り戻すことがでるとしたら、どうでしょう。その人の後の人生に大きな励みとなってくれることは間違いありません。これは今回の震災が私たちに教えてくれた教訓のひとつであると思います。

 社員である協同組合日本写真館協会、全日本学校アルバム印刷組合の2者は、半年前から、卒業アルバムの重要性の啓蒙と震災、人災における卒業アルバム複製事業の立ち上げに関して討議を重ねてまいりました。話し合いの結果、本年12月の運用開始を目指して、立案、検討を行うことにしましたが、今回の震災の惨状を見て、この事業の立ち上げを前倒しする必要性を感じました。何故ならば、卒業アルバムの救済は私たちが考えなければ、他に考えてくれる人はいないからです。また、今回の大震災のような場合でも、冷静かつ客観的に、適正な手順を確立し、法を遵守する人間が必要であると思いました。

 本年度の事業といたしましては、東日本大震災で被災した平成22年度発行の卒業アルバムの救済を主たる事業といたしますが、次年度以降も一般市民を対象に、震災、人災を問わず卒業アルバムの複製を行い、被災者に安らぎと希望を与えることを目指します。また併せて、個人情報保護などの適正な手順を確立し、安全安心を念頭に置くと同時に、今回の震災から得た教訓を無駄にしないようにして、社会に貢献いたします。

 本事業は会員の会費以外に広く支援金を募ることを予定しています。また、個人情報保護等、事業を適正な手順で行うため、学校や地元教育委員会への周知と協力依頼は不可欠です。現在、私たち製作者は、卒業アルバムに関して、保証制度を持っていません。流失、焼失などに対する相談窓口もありません。窓口を設け東日本大震災の被災者、学校などの相談、要望にお応えすることは緊急の課題だと考えます。また、業務を公平、公正かつ恒久的に行うためにも、事業体は他から独立している必要があり、そのためにも社会的信用が高い特定非営利活動法人の設立が最適であると考え、この度、特定非営利活動法人よみがえれ卒業アルバムを設立することといたしました。 

2011年7月15日

特定非営利活動法人よみがえれ卒業アルバム
設立代表者  静岡県富士市富士町4番13号
清水 伸

NPO法人よみがえれ卒業アルバム